誰もが自分らしく
私は「桜梅桃李」ということばが好きです。
『古今著聞集』の『草木』の項に
春は桜梅桃李の花あり、
秋は紅蘭紫菊の花あり、
皆これ錦繍の色、
酷烈の匂なり
とあるのが語源です。
桜梅桃李(おうばいとうり)とは桜、梅、桃、李(すもも)のこと。
それぞれが独自の美しい花を咲かせるように、
他人と自分を比べることなく、
個性を磨こうという意味です。
私たちはついつい自分にないものを求めがちです。
自分らしさに価値を見ずに、他のものになろうと足掻きます。
桜は桜らしく
梅は梅らしく
桃は桃らしく
李は李らしく
私は私らしく
あなたはあなたらしく
違って当たり前。
違うからこそ美しい。
やっとそんな風に思えるようになってきました。
誰もが自分の中にある美しさに気づき、自分らしく自分色に輝けるように。
それぞれの花を共に咲かせることができたら、それほど嬉しいことはありません。